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"また土木屋のウンチク話を一席。よく聞く公共事業批判、「どうし て道路工事は何度も同じところを掘るのか」についての合理的説明。おおまかに言って3つの理由があるが、その前に1つ。「道路工事」のほとんどは「道..."

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また土木屋のウンチク話を一席。よく聞く公共事業批判、「どうし
て道路工事は何度も同じところを掘るのか」についての合理的説明。おおまかに言って3つの理由があるが、その前に1つ。「道路工事」のほとんどは「道路の工事」ではなく「道路で工事」。


道路にはいろんな物が埋まっている。下水管、水道管、ガス管、都市部では電力線や電話線、ケーブルテレビや光ファイバー。道路工事の大半は、こういうものの新設・増設・補修、沿道建物との接続工事。現場の工事看板を見れば明らかなのだが、見ないんだろうな。

で、道路工事で同じ場所を掘る理由その1。道路を掘って管を埋め
た場合、しっかり埋め戻しても僅かに沈下してしまう。そこで、舗装して1週間以上放置し、舗装をはがして少し広めに舗装し直すのがルール。家を新築したりすると、水道ガス下水とこれを繰り返す。

道路工事で同じ場所を掘る理由その2。幹線道路でよくあるパターン。小さな工事や補修を繰り返した道路はツギハギになり、車は走りづらく、継ぎ目で騒音は出るし、振動で路面の傷みも進みやすくなる。そこで、10年ぐらいの間隔で表面を5cmほど削り、全体をきれいに舗装し直す。

で、この10年ごとの補修工事の後、数年間は掘削工事を禁止する。
だって、せっかく直したのにもったいないから。そこで、補修工事の前に関係各所に「こんど、補修工事をしますから、掘削工事をしたい人は今のうちにやっちゃって下さい」と連絡する。

すると下水、水道、電気、ガスなど各社が「じゃあ今のうちに補修
しちゃおう」「早めに新設工事をしておこう」と、次から次へと工事が始まる。1年ぐらいかけて片っ端から工事をすると、最後に舗装の補修工事が行われて、きれいな道路になる。これが「同じところを繰り返し工事」に見える。

道路工事で同じ場所を掘る理由その3。道路に埋まっている下水管
が老朽化して、交換しなければならないとする。しかし道路を何週間も通行止めにするわけにはいかない。大抵は、深夜の数時間しか通行止めできないし、あるいは少し幅を狭める程度のことしかできない。

そこで、日中は影響を最小にとどめておき、夜中にフェンスを並べ
て一気に作業帯を作る。そこに重機を搬入し、掘削して管を交換、埋め戻して舗装をし、全てを片付けて朝には交通を通す。心臓の手術のようなものだ。

一晩でできるのは数m、ということもある。しかし、その前後数十
mに渡って重機が並び、道路を狭めるフェンスはもっと延びるから、毎晩同じ場所で同じ工事をしているように見える。実際には数mずつずれているのだが。これが3つ目の理由。

なので、現場を知っている者から見ると、一般の方が口々に言うような「無駄な工事」というのは、あまりないのです。いや、そもそも要らない工事だと言われればそこは難しいですが、同じ場所を何度も無駄に掘る工事というのはまずないです。



- 大貫剛 (ohnuki_tsuyoshi) on Twitter (via emesh) (via sierra7) (via uessai-text) (via redb) (via nemoi) (via makochi-nkt) (via kondot) (via niseoshou) (via aokie) (via send) (via bo-rude)

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